日本茶の種類
お茶は発酵度合により3つに大別されます。日本茶(緑茶)、ウーロン茶、紅茶はもともと同じ茶の木(品種は異なる) からとれるのです。日本茶(緑茶)は最初に蒸気で蒸すことで、発酵を 止め、緑色を保ち、ビタミン類などを多く含みます。烏龍茶、紅茶は 茶葉を発酵させるため、香りや味が強く残ります。また緑茶の中では 発酵を止めるための方法で分類され、古来の中国式(釜炒り)か、 日本式の蒸し製の2つになり、一般的に“日本茶”とは蒸し製でつくられたお茶のことをいいます。
煎茶
日本のお茶の生産量の約75%つくられています。普通“お茶”と言えば煎茶のこと。
玉露
茶畑に覆いをして、日光を遮り、お茶の葉の養分を増やしてつくる高級茶。いれ方も煎茶はと異なります。かぶせ茶は煎茶の摘まれる7日~10日前に玉露のように覆いをし、品質を高めたお茶で、いれ方は煎茶に準じます。
番茶
お茶は春から秋にかけて1年に4回摘むことができ、1番茶、2番茶、3番茶、4番茶となり、時期が遅くなるにつれ、葉が硬くなり、品質・価格的に低下します。2番茶以後の下級茶を称して番茶といいます。
玉緑茶
煎茶とは製造工程の違いで、形を整えず乾燥させるお茶。九州地方や伊豆方面(ぐり茶)としてつくられています。
煎茶の種類
“煎茶”といっても、たくさんの種類があります。形状(見た目)や水色(お茶でいれた時の色)も違い、そのお茶に適したいれ方が必要です。お茶を見た時にどのようにいれたらおいしく飲めるのか、おおよそでも判断できるように煎茶の特徴を覚えましょう。
煎茶は産地や品種により、製造方法が異なり、大まかに分けて3つに分けられます。これは最初の製造工程の“蒸し”の時間の差によるものです。標準な時間で蒸したものを“普通蒸し(中蒸し)”、長い時間蒸したものを“深蒸し”、普通蒸しより時間の短いものを“浅蒸し”といいます。
その後製茶されたものは、お茶の形状・水色・味も違います。蒸し時間が長いと、蒸し葉は軟弱で黄色みが強くなり、香気は青臭や新鮮香が薄れますが、味が濃厚になります。
(浅蒸し/中蒸し/深蒸し)とは…
お茶ができる過程で、一番はじめに行う工程が”蒸し”。摘まれたばかりの葉を、強い蒸気で蒸すことによって、茶の葉の中の発酵酵素の働きを完全になくします。要は蒸すことで、発酵を止めるのです。ですからお茶の葉は緑色を保ててるのです。烏龍茶は半発酵、紅茶は完全発酵なので、葉の色が茶色(褐色)この蒸気の蒸し時間の差で、できるお茶の形状が変わります。
浅蒸しは時間が短く、出来上がりの形状が、硬くしっかりした針のようなお茶ができます。このようなタイプを浅蒸し茶(伸び茶)といいます。また、より時間が長く強い蒸気をあてたのが深蒸しで、柔らかい葉が粉々になり、出来上がりの形状が細かい深蒸し茶になります。
これは、お茶の産地や場所の違いで、そのお茶に適した蒸しをしています。標高が高く、日照時間が短い産地のお茶は、ゆっくりと成長し、栄養を蓄え、しっかりとした芽ができます。このような山のお茶は浅蒸し製法でつくられ、一方日が燦々と降りそそぐ、平地や台地のお茶は、成長が早く、葉肉が厚い葉ができます。これらは、深蒸しで細かくすることで、お茶の栄養分・旨味が早く溶け出る深蒸し茶につくられます。
浅蒸し茶・深蒸し茶の中間の時間で蒸し、つくられるお茶を中蒸し茶・普通蒸し茶といい、これもお茶によりますが、双方の特長を生かしたお茶と言えます。
お茶の葉(形状)を見てどのようにいれたら、一番おいしくいれられるか判断できるようになると、お茶の楽しみ方がぐっと広がりますよ!
抹茶と粉茶と粉末茶の違い
抹茶は高級茶である玉露と同じお茶を原料とし、乾燥させたもの (碾茶)を臼で挽いてできたお茶。茶の湯(茶道)で使われ、通常茶筅でたてて飲む。含まれる栄養価はピカイチ。
粉茶は煎茶を仕上げる際、篩(ふるい)にかけて形状を整える過程で、 目の細かい篩で落とされた一番細かい粉状のお茶。香りが強くなく、 味が淡白なため、たくさん飲めるためよくお寿司屋さんで使われるお茶。 粉末茶と違い通常の煎茶と同様に茶殻がでる。通常のティーバッグの 中身は浸出しやすいこの粉茶が使われています。粉末茶とは、一般的に下記の2種類のお茶のことをいいます。
粉砕茶(粉末煎茶)は要約すれば、煎茶をミルサーで細かく粉末状に粉砕したもの。水にも溶けやすく (完全には溶けません)茶殻が出ず、通常茶殻に残る成分も丸ごと摂れてるが、微粉末のため香りが損ないやすい。またインスタント茶に比べ価格は安い。
給茶機用煎茶(給茶機専用茶またはインスタント茶・パウダー茶)は、粉砕茶と違い、冷水でも溶けやすいように、 一度抽出したお茶をスプレードライ方法、またはフリーズドライ方法で顆粒・粉末化したもの。 インスタントコーヒーのように、一度液体にしたものを再度固 形化したお茶です。 粉末茶はお茶の粉が沈殿しますが、給茶機専用茶はより早く完全に溶けるのが特長です。
美味しいお茶の淹れ方
お茶を淹れるのは難しい!?そんなことはありません。
お茶は量と急須・湯のみ・お湯(温度)が同じであれば誰が淹れても同じ味になります。日本茶の中でも、お茶の種類(玉露、煎茶、ほうじ茶etc...)によって淹れ方が違いますが、ここでは煎茶(深蒸し煎茶)の淹れ方を中心にお話します。
お茶の正しい保存方法
お茶の天敵、湿気に注意
お茶は、乾燥品のため、湿気に敏感です。周辺の湿度が高いと、お茶の品質を低下させてしまいます。湿気を防ぐためにも、なるべく湿度の高くない場所で、密閉容器にての保存がお勧めです。
匂い移りに注意しましょう
お茶は匂いを吸収しやすい性質をもっています。強い匂いを持つ物と同じ場所に保管してしまうと、お茶にもその匂いが移ってしまい、お茶本来の繊細な香りが損なわれてしまいます。お茶を保存するのは、近くに強い匂いの物が無いか?に注意しましょう。
日の当たる場所は避けましょう
お茶は、日の当たる場所の保存は、お茶の成分が変化してしまいますので、注意が必要です。直射日光の当たる場所を避けて保存しましょう。
お茶は酸素にも弱いんです
お茶は、実は酸素にも弱いんです。日光と同様に、酸素とも反応してしまうため、お茶の性質が変化してしまいます。10日分程度の分量を目安に小分けして、密閉容器にてなるべく空気に触れないよう心掛けて下さい。
高温な場所は避けましょう
高温な場所も、お茶を保存するのには適しておりません。高温により、お茶の性質が変化してしまうと、お茶本来の香りや旨みが損なわれてしまいます。密封容器に入れたら、冷蔵庫等、高温にならない場所での保存をお勧めします。しかし、冷蔵庫の場合、冷たい場所から、急に室内などの温かい場所へ移動した際に、温度差で容器の表面に水滴がついてしまう恐れがあります。そのため、取りだした後は、ある程度、室温になじませてから容器を開封するよう心掛けてください。
初心者のための茶道・お茶会講座
『茶道・お茶会に興味がある…けどちょっと敷居が高くて』っといった方に、茶道・お茶会の雰囲気を少しでも知ってもらい、より多くの方に茶道やお茶会を楽しんで頂くために、茶道・お茶会に関する気になるあれこれをご紹介させて頂きます。
茶器のご紹介
日本茶の茶器はお茶の種類や楽しみ方により様々な道具があります。ここでは代表的な茶器をご紹介させて頂きます。当店では茶道を楽しむ方用の専用の茶道具も各種取り揃えておりますので、ご用命の際にはお声掛け下さい。
【茶筒(ちゃづつ)・茶合(ちゃごう)】
日本茶は乾燥品です。そこで湿気が最大の敵になってきます。 そんなお茶の天敵『湿気』からお茶を守ってくれるのが茶筒です。 シンプルな物から可愛らしい柄をあしらった物まで、色々な種類の 茶筒が御座います。また、茶合は茶葉の分量を正確に計るために用いられる茶道具です。
【急須】
美味しいお茶を楽しむためには良い急須を選びましょう。 良い急須のポイントは『水切れ』です。また、お茶の種類によって 急須を選択するのも良いでしょう。少量を楽しみたい時には 小さ目な急須で、番茶などたっぷり楽しみたい時には大き目かつ厚手の陶器がお勧めです。その他にも玉露などに適した宝瓶(ほうひん)と呼ばれる急須など様々な物が御座います。
【茶碗(ちゃわん)・茶托(ちゃたく)】
様々なデザインの茶碗がありますのでお好みの物を。 お気に入りの茶碗で楽しむお茶はより美味しく感じられます。 用途で選ぶなら低温でいれる玉露には磁器、熱湯でいれる番茶等は厚手の陶器となります。茶托はテーブルをお茶の熱から守ってくれますし、何ともなく上品な感じが演出できます。
【抹茶道具】
茶道を楽しむには専用の道具が御座います。 抹茶茶碗、抹茶をかき回すの使用する茶筅(ちゃせん)、 粉末の抹茶を量るために使用する茶杓(ちゃしゃく)など神山園では各種取り揃えております。
茶香炉のご紹介
茶香炉とは茶葉を熱してその香りを楽しむための小さな香炉です。ろうそくなどで上部に敷き詰めた茶葉を熱する仕組みになっており、お茶の何とも言えない香りがリラックスした気分にさせてくれます。
元々はアロマテラピーの際に使用されるアロマポットをヒントに1997年に愛知県半田市に本社置く愛知化学陶磁器様が商品化したそうです。その後、2001年に全国地場産業優秀技術・製品表彰の最優秀賞「中小企業庁長官賞(地場産大賞)」を獲得したことから広く知られるようになっていったそうです。
上述したリラクゼーション効果の他にもお部屋の消臭効果などもあり、近年、愛用者が増えてきております。当店でも店主のセンスで選んだ茶香炉を取り扱っております。茶香炉をお探しの方は是非一度お店へ遊びにいらして下さい。